最近、熟語を書き表すのに、ひらがなと漢字を混ぜた「まぜがき」というのが横行しているらしいです。
以前、「小学校で子供に自分の名前を書かせる際に、習っていない漢字はひらがなで書かせるため、タダでさえ難読なキラキラネームが手に負えなくなり、場合によっては卑猥だったり不吉だったりする音に読めてしまうことも…」というような記事を読んだ覚えがありますが、もっと深刻なのがこの熟語の「まぜがき」で、その元祖ともいうべき単語が「子ども」らしいです。
私個人は「子ども」という書き方は使ってなかったものの、このニュースのタイトルを見ても「子供」だろうが「子ども」だろうが一緒やん…くらいに思っていたのですが、ニュースの中で紹介されていた『子ども教の信者は目をさましましょう』というサイトにある例文を読んで、この問題の深刻さ(と根深さ)に気付かされました。
「女どもはこの家の者。この子どもも、ここの家の子どもです」
少し時代がかった言い回しですが、このように幼児を表す熟語としての「こども」を「子ども」と書いてしまうと、2カ所に出てくる「子ども」の違いが分からないので、この文章だけでは文中に出てくる幼児が一人なのか複数なのかを識別できないのです。
しかし、次のように書けば、意味は一目瞭然!
前半の「子ども」=子の複数形で、後半の「子供」=幼児を表す熟語になりますので、この一文のみでこの家には幼児が複数居ることがわかります。
「女どもはこの家の者。この子どもも、ここの家の子供です」
逆に、次のように書いた場合は、幼児が一人であることが明確になります。
「女どもはこの家の者。この子供も、ここの家の子供です」
この場合、複数の女=「女ども」に対して一人の幼児は「この子供」と書くより「この子」とした方が良いと思うので、『子ども教の信者は目をさましましょう』でもこの例文は使っていませんが、あえて書けば…ということで。
すなわち、幼児を示す単語として「子供」と「子」が混在し、さらに複数形を示す接尾語(?)「ども」が入った文章の中で、単語としての「こども」を漢字で「子供」と書くことによって「子ども」と書くよりも、同じ長さの一文により多くの情報を込められるということですね。
某隣国では漢字を捨てて表音文字のみを使うようになったため、漢字を読めない世代は同音異義語が識別できなくなり、エライコトになっている…というニュースを見て、漢字を上手に取り込んで今に至る日本語は素晴らしいなぁとつくづく思っていたのですが、我が母国語も他人事ではないことを知って愕然としました。
今回のニュースによると今後は漢字表記をする方向に動いているようですので、まだマシか…。
小学生低学年ならいざ知らず、大の大人が「まぜがき」するのは日本語の用法として間違いで恥ずかしいことです。難読熟語にはルビをふれば良いわけですし、中途半端な「まぜがき」をして、妙な屁理屈の言葉狩りに加担しないように気をつけよう!
…といっても、最近とっさに漢字が思い出せないんですよね。
IT機器機器に頼りすぎて、頭が退化してます。
【ニュース元】
「子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用
2013年09月12日
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