まずは、組み替えたICレコーダの回路図。
APR9600を使った通常の回路は、1番ピンにタクトスイッチを接続していて、ワンプッシュすると録音された音源が1回再生、押しっぱなしにすると連続リピート再生されます。そこで今回の回路では、1番ピンは−極へ直付し、電源と基板の間にスイッチを設けて、待機電力0にしています。
なお、電源は単3×3=4.5Vを使ってます。

※その後の検証で、上記回路図の中で蛇口LEDの抵抗を1kΩから220Ωに変更しました。(2011.01.19追記参照)
次に、ちょっとデフォルメしてますが、水栓の断面略図。
我が自作キッチンにはリアル水栓を取付けてますが、そのバルブ部分にマイクロスイッチを埋め込んで、バルブの開閉でスイッチがON/OFFされるようにすると共に、スワン型蛇口の先端に青色LEDを仕込んで、水を光で表現します。

ここからは、実際の写真。
まずマイクロスイッチは、押し込み時OFF、開放時ONの配線で結線します。これを水栓の中に埋め込んでやると、バルブを閉めた時にOFFになり、バルブを弛めるとONになります。

このまま水栓の中に入れても自立できないので、水栓の内径に合わせてエポキシパテを盛っていきます。
まず、水栓のスピンドルを外し、クリアファイルなどを筒状にして型を取ります。



型が取れたら、型の真ん中にマイクロスイッチを入れて周囲と裏側をエポキシパテで埋めちゃいます。ちょうどスイッチ裏側の端子が隠れるくらいまでパテで埋めた状態で、厚みは1cm弱くらい。
パテが乾いたら型を外してスイッチ部分は完成です。

次に水栓側の加工です。
小さいマイクロスイッチを選んでも、もともと入っているコマに比べると厚いので、コマを外してスピンドルを装着しても、遊びがほとんどなくマイクロスイッチをON/OFFできるほどハンドルが回りません。
そこで、下写真のようにスピンドルの突起部分を削ってスペースを稼ぎます。私はルーターで削って最後にサンドペーパーで仕上げましたが、スピンドルは黄銅製で柔らかいので、粗目の耐水サンドペーパーなどで根気よくやれば十分削れると思います。残った穴はパテかΦ5mmの細工材で埋めちゃいます。


最後に組み立てです。
LEDのケーブルは蛇口側、マイクロスイッチのケーブルはバルブ側から引き込んで、水栓の根元側から引っ張り出します。(←ここが一番の難所)
LEDケーブルの長さを蛇口の長さに合わせた後、マイクロスイッチを奥まで押し込み、蛇口とスピンドルを装着すれば、水栓部分の完成です。

あとは、水栓とICレコーダをキッチンに取付ければ、作業完了です。
ここからは、完成後の写真。
バルブを弛めると電源が入り、蛇口のLEDが点灯すると共にICレコーダから水が流れる音がチョロチョロと聞こえてきます。白い琺瑯ボールをシンクにしているので、電源が入るとシンクが青く染まります。
OFF時→


こちらはLEDを仕込んだ蛇口のアップ。φ5mm砲弾型の高輝度LEDを入れてますので、結構明るいです。

お皿などをかざすといかにも洗ってるように見えるでしょ。

そんなことで、リアル水栓にギミックを仕込む作業も無事完了です。
コンロに電装ギミックを盛り込む例は数あれど、リアル水栓に電装ギミックを盛り込んだのは自作ままごとキッチン界でも初の試みではないかなぁ。

【2011.01.05追記】
当初、ICレコーダは電子レンジ天井裏の配線スペースに設置しました。
しかし、長姫には水音が電子レンジの中から聞こえてくるように感じるらしく、水音が始まると不思議そうな顔をしてレンジの中を覗いていました。
そこで、プラスチックケースの中にICレコーダを入れて、シンク裏に設置し直しました。(この位置は、ちょうど前面パネルの裏側でシンク下収納を開いても見えにくい位置になります。)
この位置だとちゃんとシンク付近から水音が聞こえるので、長姫も納得したようです。
