今年の大河ドラマの主人公・直江兼続の小説を一つ読みました。
集英社文庫・童門冬二著『小説 直江兼続―北の王国』(全一冊)。
童門先生の本は、米沢藩中興の祖・上杉鷹山の小説に続いて二冊目です。
ビジネスマン必読かどうかは少々微妙ですが、現代の我々が情景を連想しやすい文章と、ちょっと厚めの文庫本一冊で完結という分量は、確かに出張やら外出の移動中に読むにはちょうど良いです。
この本を選んだもう一つの理由としては、大河ドラマは小説を原作に使いながら、ドラマ化に際して登場人物の人物像をかなり強引にNHK風な設定に変えてしまうことがままあるので、同じ題材でも違う作品を読んじゃえば、大河の原作曲解に腹を立てることもありませんからね。
さて、これで大方の予備知識は入りましたので、大河ドラマ版のお手並み拝見ですな。
そうそう、私はATOK2006使ってるんですが、「なおえかねつぐ」で変換すると、「直江兼嗣」しか出てきません。「かねつぐ」のみで変換しても「兼続」は出てきませんし…。やっぱり、少々マニアックな武将なんですかねぇ?
【2009.01.26追記】
原作本の火坂雅志著『天地人』について検索してみたら、NHK出版(日本放送出版協会)より2006年9月出版だそうす。確か大河ドラマ化の報道が2007年4月頃でしたから、もしかして最初からドラマ化を見越して書かれた原作小説なんですかね?(←ちがったら、スイマセン)
それなら、曲解による原作との乖離は少ないだろうけど、原作本の
Amazonの書評を見る限り、原作の方もNHKお得意の「主人公はひたすら良い人・スゴイ人」的な若年層向け小説になってる感じですなぁ。
また、特に女性読者からは、登場する女性の扱いの軽さや性的描写について辛辣なご意見があるようですが、これは少々酷な話で、元々の時代小説の読者層が男性ってこともあり、主人公が女性と一夜を過ごして大人になる描写についてはお約束みたいなもんですから…ねぇ。
あまり目くじら立てず、水戸黄門の『お銀さんの入浴シーン』みたいな読者サービスだと割り切って、軽く受け流してあげて下さい。小説は史実ではなく娯楽ですから…。
まあ、『天地人』で納得いかなかった方は『小説 直江兼続―北の王国』も読まれてみてはいかがですかね。
正室のお船さんが再婚の姉さん女房として良い味(?)出してます。(ただ、こちらの小説も「おしの」さんっていう正室公認の愛人さんが出てきますんで、そういったのが苦手な方にはお勧めできないかも?)
posted by saitahu at 23:01
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